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コラムCOLUMN

九州の中堅メーカーがインターンシップに力を入れる理由とは

関西酵素株式会社
常務取締役 白石 雄一

化粧品やトイレタリー用品の製造を行う九州の中堅メーカー、関西酵素株式会社様。
新卒採用のインターンシップに注力し、優秀学生の集客と入社志望度向上に成功。
九州ではインターンシップに力を入れる企業が多くない中で、なぜプログラム開発を
外部に委託(委託先は当社)し、若手社員を動員するレベルまで注力したのか。
その理由を常務取締役にお聞きしました。

POINT
1. 優秀な学生ほど早期に接触しておかないと獲得できない。
2. 早期(インターンシップ)ならば、会社規模ではなくプログラム内容で勝負できる。
3. こだわったのは、他社がやらないような打ち出し方をする事。

Q.今回、夏・冬の2回、インターンシップを実施されましたが、その目的についてお教えください。


(白石)
一番の目的は、インターンシップ希望の学生と早期接触する事です。それは、弊社が中小企業であるがゆえに、人材を獲得するとなった時、他社と同様に3月のオープンで学生と接触していると、なかなか思うように人材を獲得できません。
インターンシップをやらない限り、3月のグランドオープン以外では早期接触できませんから。これは中小企業の致命的なところだと思っています。
学生のレベル感という点で、優秀な学生ほど早期に接触しておかないと獲得できないので、サマーインターンは必要だと実感しています。また、それだけでは足りないので、ウインターインターンも行っています。ウインターインターンは、サマーインターンに来て頂いた学生に対するフォローという位置づけです。
当社は、「学生の質」にこだわりを持っているので、そういった意味でも早期接触をしていかなければなりません。ある程度の人材要件を持ちながら採用活動するとなると、欲しい人材の確保には早期接触が必須です。大手企業が先に優秀な学生と接触するので、3月の時点になってからでは、そういった学生と接触する事自体、難しいというのが現実問題です。

Q.インターンシップを行うメリット・デメリットについてお感じの点があれば、お教えください。


(白石)
まず、メリットですが、一番大きいのは、やはり早期接触できるという点ですね。
サマーインターンシップをやった方が良い理由の一つとして、この時点では学生たちは「業界を研究しようかな」と思っている段階で、まだ業界を絞りこんではいません。様々な業界にインターンに行ってくれるので、今まで我々と接触する機会がないような学生とも、早期に接触できる点が、ものすごく大きなメリットだと思っています。
これも、冬からやるのでは遅く、夏にインターンをやる事によって、ふらっと来れる手軽さがあるので、今まで会えなかった学生たちとも会えるし、そこから動機づけという事にもなるので、夏にインターンを行うメリットはものすごくありますね。採用に力を入れるのであれば、夏から始めないとインターンをやる意味がないとまで思っています。
今年のサマーインターンの成果としては、今まで当社に来ないような文系の男子学生が来てくれたり、企画を腕試しとして来てくれた学生もいた事ですね。具体的には、今まで1会場に数名しか来なかった男子学生が、各会場で約半分を占める割合に増えた事です。当社は化粧品業界なので、女性のイメージがとても強く、男子学生はなかなか来なかったのですが、会場の半分が男子学生で埋まった事は、大きいメリットでした。
様々な分野の学生がインターンに来てくれ、大手を受けようと思っている学生もたくさんいましたが、当社は規模も大きいわけではないので、会社の規模だけでインターン先を決めているのではなく、プログラム内容で来てくれているのかなと思います。
次にデメリットですが、マンパワーがかかるのと、長期間のフォローが必要になってくるという点ですかね。でも、そのデメリットを考えたとしても、メリットの方が圧倒的に大きいと思っています。

Q.インターンシップ参加後の学生の状況はいかがでしたか?参加した事で、学生たちの志望動機に変化はありましたか?


(白石)
実際にインターンに参加して、イメージと違ったと離脱される学生さんも中にはいますが、業界の事とか、当社の事を知って頂けるプログラムになっているので、そういった意味で来てよかったという学生さんが圧倒的に多かったです。また、最初から他社を受けるからと離脱する学生さんは少なく、「大手企業とも同じ土俵に乗ったな」という実感はあります。
今までですと、学生の情報が取り切れなかったところもありますけど、硬い系に行ってしまう、いわゆる保守系の人、例えば、公務員になりますとか、大学院に行きますとか、大手の安定した企業に行きますという学生が多かったのですが、今回はこういった点を気にしない学生にも会えてますので、そういった学生の離脱は少なく、期待以上の成果でした。

Q.インターンシップを勧めるとしたら、その理由を伺えますか?


(白石)
本気で人材を採用するためには、世の中の流れとして、やはりサマーインターンから接触することが一番大事だと、正直、思います。マンパワーやお金の問題ももちろんあると思いますが、それは規模的な問題ですので、自分たちでできる範囲でインターンをやるという事は、十二分に可能なんですね。そのあたりを一旦整理整頓して頂いて、まずは自分たちができる規模でやってみるというのが大事なんだと思います。
インターンをやらなかった時の、接触できなかったというデメリットの方が、私は大きいと思います。会社にとって、人材が確保できないということは、最終的には死活問題になってきます。誰でもいいというのであれば話は別ですが、そうでないのであれば、今後の事も考え、事業戦略として考えていくと、人というのは非常に大事なファクターになるので、まずはやっていく事が重要だと思います。
ただ、無理にでも行うと最終的には崩壊してしまうので…例えば、フォローができなかったりすると、せっかく集めた学生がかえって逃げていくという事にもなりかねないので、そこは無理をせず、できる範囲でのインターン、できる範囲での学生との接触という形でいいのではないかと思います。

Q.インターンシップを実施する上での学生集客面はいかがでしょう?


(白石)
多少のお金をかけないといけない部分はありますが、制作物は一回作ってしまえば何年かは使い回しはできますので、ランニングコストとしては抑えられます。最初に制作物を作って、それから集客していくという方法もありますし、来る来ないのレベル感はありますが、最終的に、これは極論の話になりますが、例えば、欲しい人材が10人いたとして、担当者によっては、10人来たら、その10人を採用する事が採用コストとしては一番いいと思うんですね。でも、そこが考えなくてはいけないところで、集める事を目的としてしまうと、結局、それを捌くことにマンパワーがかかりますので、得策ではないのかなと思います。
当社も、実際、膨大な人数を集めますが、その中から欲しい人材を探すという事に、多大な時間と手間と費用がかかります。ですから、ある程度どういう人物を採用したいのか、そういう人物がどういう広告だとフックできるのか、どういった事に対して興味を持つのかを、予め精査しておく事が必要です。それは、インターンシップであったりとか、会社説明会であったりとか、制作物であったりとかを通して知る事ができるのですが、そういうところにこだわれば、もしかすると、大きな費用をかけなくても欲しいターゲットを獲得できる可能性というのは十二分にあると思います。

当社が1つこだわっているのは、他社がやらないような打ち出し方をする事です。例えば、ただ単に求人サイトにページをアップするだけではなく、そのトップページを目立つような、人物写真ではなくイラストを使ったりなど、見せ方にも工夫しています。当社は遊び心をプラスするというテーマをもとに、そこに共感していただける方という点が大事になるので、まずは打ち出した時点で、他社とは違うものを作るという観点に大きなこだわりを持っています。

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