グループディスカッション選考とは?やり方やメリットを解説
グループディスカッション選考は、採用プロセスの一環として、複数の候補者が同じテーマについてグループで意見を交換し、協力して問題を解決する選考方法です。この方法では、候補者のコミュニケーション能力やリーダーシップ、協調性、問題解決能力などを評価することができます。グループ内での議論やディスカッションを通じて、候補者の洞察力や論理的思考、創造性なども把握することが可能です。グループディスカッション選考のメリットは、単に個人のスキルだけでなく、チームでの働き方や相互作用能力を見ることができることです。
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INDEX
グループディスカッション選考とは
グループディスカッション選考は、採用プロセスにおいて複数の候補者が同じテーマについてグループで意見交換し、協力して問題解決する方法です。主な目的は、個人のコミュニケーション能力、リーダーシップ、協調性、問題解決能力などを評価することです。この手法では、以下の特徴があります。
・候補者は共通のテーマについてグループで議論し、意見を交換します。
・ディスカッションの進行や解決策の決定には、協力や相互作用が重要とされます。
・候補者の意見や考え方、コミュニケーションスタイルなどが明確に観察されます。
・グループ内でのリーダーシップや協調性、柔軟性、自己表現能力なども評価されます。
・異なるバックグラウンドや経験を持つ候補者が集まることで、多様性や創造性が生まれる可能性があります。
グループディスカッション選考は、個人のスキルだけでなく、チームでの働き方や相互作用能力を評価する手法として、企業や学校などで広く採用されています。
プロセスと進行の概要
グループディスカッション選考のプロセスと進行は以下のようになります。候補者は複数のグループに分かれて同じテーマについてディスカッションを行います。具体的な手順は次の通りです:
・グループ割り当て
候補者は複数のグループに割り振られます。
・テーマの共有
グループに与えられたテーマや課題についての情報や資料が提供されます。
・ディスカッション開始
グループメンバーはディスカッションを開始し、自身の意見やアイデアを提案します。
・ディスカッションの進行
グループメンバーは意見交換や議論を行いながら、問題解決に向けて協力して進めます。
・ファシリテーターの監視
ファシリテーターや選考担当者がグループを監視し、候補者の参加度や行動、意見表明の方法などを観察します。
・解決策のまとめ
グループは共通の目標に向けて意見をまとめ、解決策を見つけ出します。
・発表と評価
ディスカッション終了後、各グループはまとめた結論や提案を発表し、選考担当者は候補者のパフォーマンスを評価します。
グループディスカッション選考では、候補者の相互作用能力や問題解決能力を評価するために、円滑なディスカッションの進行やチームワーク、協力性が重要視されます。選考担当者は候補者の個人的な参加度や貢献度、グループ全体の成果を総合的に評価し、採用の判断材料とします。
グループ選考の種類
グループ選考には様々な種類があります。一つは「ケーススタディ方式」で、候補者は実際の業務シナリオに基づいた問題解決を行います。また、「ロールプレイ方式」では特定の役割やシチュエーションを割り当てられ、実践的な能力を評価します。さらに、「プレゼンテーション方式」では候補者が自身のアイデアや解決策をプレゼンし、その内容や表現力を評価します。これらの方法は候補者の総合的な能力や対応力を測るために使用され、採用プロセスにおいて重要な役割を果たしています。
ケーススタディ方式
ケーススタディ方式は、グループ選考の一種であり、候補者の問題解決能力や分析力を評価する手法です。以下にケーススタディ方式の特徴を説明します。
・実際の業務シナリオに基づいたケースが与えられ、候補者はそのケースに対して解決策を考えます。
・候補者はグループ内で協力し、情報収集や意見交換を行いながらケースに対するアプローチを考えます。
・問題解決の過程や提案内容、論理的思考力、柔軟性などが評価されます。
・グループメンバーは議論を通じて意見を交換し、最終的に共通の解決策をまとめます。
ケーススタディ方式は、実際の業務に近い状況を模擬することで、候補者の実践的な能力や対応力を測ることができます。
ロールプレイ方式
ロールプレイ方式は、グループ選考の一形態であり、候補者の実践的な能力や対応力を評価する手法です。以下にロールプレイ方式の特徴を説明します。
・候補者は特定の役割やシチュエーションを割り当てられ、それに基づいて実際の業務を模擬します。
・役割プレイヤーとしての役割に従い、グループ内で相互作用し、タスクや課題を遂行します。
・ロールプレイの進行中には、候補者の意思決定能力、対人関係スキル、柔軟性、問題解決能力などが評価されます。
・候補者は与えられた役割に応じて行動し、実践的なシナリオに対する適切な対応を示す必要があります。
ロールプレイ方式は、現実の業務状況や社会的なシナリオを模倣することで、候補者の実践的な能力を評価します。役割プレイヤーとしての行動や意思決定の質、コミュニケーションスキルなどが重視されます。グループ内での協力や相互作用も評価の対象となり、チームワークやリーダーシップの能力も鋭く観察されます。
プレゼンテーション方式
プレゼンテーション方式は、候補者の意見や考え方、プレゼンテーションスキルを評価するために使用されます。以下は、プレゼンテーション方式の特徴をまとめたものです。
・候補者は与えられたテーマに基づいてプレゼンテーションを行う。
・アイデアや解決策を明確に伝え、説得力のあるプレゼンテーションスキルを発揮する。
・情報の整理やロジカルな構成が求められる。
・プレゼンテーション内容や表現力、コミュニケーション能力が評価される。
プレゼンテーション方式は、候補者の能力やプレゼンテーションスキルを測るために広く使用されており、特にコミュニケーションや表現力が重要視される職種や業務において効果的です。
グループディスカッション選考のメリット
グループディスカッション選考には、以下のようなメリットがあります。
コミュニケーション能力の評価: グループディスカッションでは、候補者のコミュニケーション能力が評価されます。意見の交換やディスカッションを通じて、候補者のコミュニケーションスキルや対話能力が把握できます。
チームワークの確認: グループディスカッションは、候補者のチームワークや協力性を確認するための良い手段です。候補者がグループで協力し、共通の目標に向けて取り組む様子が観察できます。
多様性の促進: グループディスカッションにはさまざまなバックグラウンドや意見を持つ候補者が参加します。これにより、多様性が促進され、異なる視点やアイデアが生まれる可能性があります。
問題解決能力の評価: グループディスカッションでは、候補者の問題解決能力が評価されます。グループ内でのディスカッションや意思決定の過程を通じて、候補者の論理的思考や分析力を把握することができます。
総合的な能力評価: グループディスカッションは、個人のスキルだけでなく、チームでの働き方や相互作用能力を評価する手法です。候補者の総合的な能力や対応力を把握し、適切な判断材料とすることができます。
グループディスカッション選考は、候補者のコミュニケーション能力やチームワーク、多様性の活用、問題解決能力の評価など、総合的な視点から能力を評価するメリットがあります。
グループディスカッション選考のテーマ
グループディスカッション選考では、さまざまなテーマが用意されます。ビジネス関連テーマでは、経営戦略やマーケティング戦略、チームワークの改善など、ビジネスに関する課題が扱われます。社会問題関連テーマでは、環境問題、教育格差、人権、グローバルな課題など社会的な問題についての議論が行われます。また、企業のテーマ事例では、企業の成長戦略や新商品の開発、リスク管理など、実際の企業の課題に関するディスカッションが行われます。これらのテーマは、候補者の知識や洞察力、意見表明の能力を評価するために重要です。幅広いテーマが提供されることで、候補者の多様な視点とアイデアが引き出され、組織にとって有益な成果を生み出す可能性が高まります。
ビジネス関連テーマ
以下は、グループディスカッションにおけるビジネス関連のテーマの例です。
・マーケティング戦略
・新商品の導入方法とマーケットへの展開
・顧客獲得と顧客維持戦略
・ブランド戦略とブランド価値の向上
・オンラインマーケティングとデジタル戦略
これらのテーマは、候補者のビジネスに関する知識や洞察力、意見表明や議論能力を評価するために使われます。グループディスカッションを通じて、候補者の戦略的思考や問題解決能力、チームワークやリーダーシップ能力などが観察され、組織における価値をもたらす能力を判断するための重要な手段となります。
社会問題関連テーマ
以下は、グループディスカッションにおける社会問題関連のテーマの例です。
・環境問題と持続可能な開発
・教育格差と学習機会の平等性
・貧困削減と社会的包摂の促進
・性差別とジェンダー平等
・食料安全保障と持続可能な農業
これらのテーマは、社会的な課題に関する候補者の意識や洞察力、解決策の提案能力を評価するために使われます。グループディスカッションを通じて、候補者の社会問題への関心や社会的な視野、協調性や共感力などが観察され、組織や社会に対する貢献度を判断するための重要な手段となります。
企業のテーマ事例
以下は、グループディスカッションにおける企業別のテーマの事例です。
・配送の無駄な費用(住民の不在による再配達など)を減らすための案を考えよ(アクセンチュア)
・あるメーカーの移転先を日本橋にするか藤沢にするか。(三井住友銀行)
・プロフェッショナルとは?(野村證券)
・スーパーでチキンラーメンをより多く売り出すには(日清食品)
・ペコちゃんを海外で認知度を上げるためにどうすればよいか(不二家)
・飲食店の全面禁煙に賛成かどうか(伊藤忠商事)
グループディスカッションは大きく5つのタイプに分けられ、それぞれで思考のフレームワーク、議論の進め方のようなものが存在します。
・抽象的・自由型
・課題解決型
・資料分析型
・ディベート型
・フェルミ推定
5つのタイプそれぞれでテーマへの取り組み方が違ってきます。基本的に議論の答えに正解はありませんが、議論の進め方や思考のフレームワークは存在します。それぞれのタイプごとにポイントを抑えて望むのがよいでしょう。
グループディスカッション選考での評価ポイント
グループディスカッション選考では、以下のポイントが評価されます。
・コミュニケーション能力
候補者が意見を明確に表現し、他のメンバーとのコミュニケーションを円滑に行えるかが評価されます。
・リーダーシップとフォローシップ
グループ内でリーダーシップを発揮できるだけでなく、他のメンバーのアイデアを支持し、協力する能力も重視されます。
・問題解決と分析力
提供された課題やテーマに対して論理的な分析や問題解決スキルを発揮できるかが評価されます。
・チームワークと協力性
グループの一員として協力し、他のメンバーとの協調性やチームワークを示せるかが重要です。
・フレキシビリティと柔軟性
様々な意見やアイデアに対して柔軟に対応し、フレキシブルな思考を持てるかが評価されます。
・コンフリクトマネジメント
グループ内での意見の相違や衝突が生じた場合に、建設的に解決できるかが注目されます。
これらの評価ポイントは、候補者の相互作用能力、問題解決能力、協力性、リーダーシップ能力などを総合的に評価するために使用されます。グループディスカッションでは、候補者の協力的な姿勢や意思決定能力、柔軟性などが観察され、組織における適応性や貢献度を判断する重要な手段となります。
グループワークレンタルの活用
グループディスカッション選考のプログラム(コンテンツ)に困ったら、グループワークレンタルという方法も効果的です。Groupwork.com(グループワークドットコム)ではグループディスカッション選考に使える、ジャッジも企業理解向上(志望度向上)の両方を実現できるプログラムをご用意しています。800件以上の採用・研修のグループワークを開発してきた当社だからこそ、ご提案できるグループディスカッション選考プログラムで、貴社の採用活動をご支援いたします。
WEB・対面グループワーク選考パック内容
このパッケージでは、対面またはウェブ会議システムを活用してグループワークに基づく選考を実施できます。準備時間を最小限に抑えつつ、評価シートや試験官用マニュアルなど、包括的な内容が提供されます。
このパッケージには4つの特長があります。
1.選考を通じて動機付けを促進できる「自己関連付け効果モデル」を基にした設計。
2.説明から終了まで最大60分で完結可能で、運用も簡単。
3.任意の評価基準に基づいて言動を容易に把握し、評価やフィードバックを簡単に行うことができるマニュアルが用意されています。
4.流出や重複リスクを考慮した納品体制。
開発の背景として、採用活動中に頻繁に経験する問題点に対応しています。例えば、面接担当者が志望度が低いと感じる場合や、面接官によって評価にばらつきが生じる場合、効率的な面接方法を用いても意図せず候補者が離脱する場合、または内定後の辞退が発生する場合などです。
このパッケージは、各接点で適切な情報を提供し、選考中に志望度を上げることを目指しています。これにより、学生は限られた時間と接触点で確固たる意思決定を下すことができます。
このパッケージは、選考の効率化と志望度の向上を同時に達成するためのサービスを提供します。具体的な利用シーンとしては、インターンシップ前のグループ面接やディスカッション、1次選考、個別面接との併用、内々定後のフォローアップなどがあります。
特典として、グループワーク選考に活用できる評価シートテンプレートと、グループワーク選考に必要な全ての知識を網羅した試験官マニュアルを提供します。これにより、初めてグループワーク選考を行う方でも安心して取り組むことができます。マニュアルには、グループワーク選考の基本、評価方法、ウェブ上でのグループワーク選考のポイント、評価シートテンプレートの活用方法、フィードバックのポイントなどが含まれています。
まとめ
グループディスカッション選考は、採用プロセスにおいて使用される方法です。複数の候補者がグループで同じテーマについてディスカッションを行い、コミュニケーション能力や問題解決能力、チームワークを評価します。この選考方法のメリットは多岐にわたります。まず、候補者の相互作用能力や意見表明のスキルが明確になります。また、チームワークや協力性の有無も評価されます。さらに、異なるバックグラウンドや視点を持つ候補者が参加することで、多様性が促進され、新たなアイデアや解決策が生まれる可能性が高まります。さらに、グループディスカッション選考は実践的な能力を測る手法であり、現実の業務に即した課題やシナリオに対する対応力を評価することができます。