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内定辞退を防ぐ「内定者懇親会」のまとめ(注意点から成功事例まで)

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内定者懇親会は内定辞退を防ぐためのカギ

オンライン採用の一般化や採用スケジュールの早期化がますます進むなかで、企業にとって「内定辞退」への対応は避けられないテーマとなっています。内定辞退を防ぐためには、選考中から学生の志望度を引き上げ、なるべく多くの接点を持つことで自社へのコミットを高めていくと同時に、内定(内々定)出し後のフォローをいかに行うかということが重要な要素となります。

株式会社ディスコの調査(※)によると、学生が受けた内定者フォローは「内定式(オンライン含む)」「内定者懇親会(オンライン)」「人事からの定期連絡」の順で多くなっています。また、実際に学生が受けた内定者フォローのなかで、入社意欲が高まったフォロー内容は「内定者懇親会(対面)」「社員を交えた懇親会(対面)」「内定者懇親会(オンライン)」の順で上位に挙がっています。すなわち、「内定者懇親会」を通して内定者同士の関係性を強化したり、先輩社員との関わりを持ってもらったりすることで、自社への入社意欲が高まることが明らかになっています。以上の観点から、内定者懇親会を効果的に行うことで、内定辞退が生じる可能性を低減させることができるといえるのです。

 

内定者懇親会を開催するメリット

内定者懇親会を開催することで、企業側、また学生側にとってどのような効果があるのでしょうか。先述の内定辞退を防ぐ目的以外にも、内定者懇親会にはいくつかのメリットがあります。特に昨今の採用オンライン化の潮流により、多くの企業で会社理解が深まらないまま入社を迎える学生が増えることが課題とされており、そうした懸念を払しょくするためにも内定者懇親会の位置づけは重要です。ここでは、内定者懇親会を開催するメリットを3つの要素に分けて見ていきます。

①入社前に会社に馴染みやすくなる
内定者期間中の学生はいくつかの不安を抱えています。たとえば「会社に対する不安」や「自分に対する不安」、「同期に対する不安」などです。こうした不安は大きく3つのヤマがあるといわれており、特に内定出し直後の6月ごろ、内定式前の9月ごろ、入社前の2月ごろにピークが訪れる傾向にあります。内定者がこのような不安を抱えたまま入社を迎えてしまうと、「やっぱりこの会社ではなかった」「自分はこの会社に居場所がない」といった思いを抱き、早期離職を引き起こす事態にもつながりかねません。
内定者懇親会は学生に「会社」や「自分」、「同期」と向き合ってもらう場であり、会社への帰属意識が高まると同時に仲間意識を醸成することが可能になるといえます。

 

②自社への理解が深まる
学生が就職活動中に行う「企業研究」は、あくまでも選考対策としての意味合いが強く、本質的な企業理解にはつながっていない可能性もあります。また選考過程の限られた接触機会で、自社の魅力をすべて伝えることには限界があるかもしれません。だからこそ、内定者フォロー期間を利用しながら自社理解を促進し、職場の雰囲気や自身の働くイメージを感じてもらうことで、社会人になることへのモチベーションを高めさせる必要があるといえます。
自社理解を促す手法としては、内定者懇親会の一つのプログラムとして、自社の事業に関するグループワークを行うことが有効です。たとえば、自社の現状課題の解決につながるアプローチを検討させたり、新規事業を考えさせるワークを実施したりするケースがあります。

 

③ビジネスマネーやビジネススキルを獲得できる
社会人に求められるビジネススタンスやスキルは、一朝一夕に身に付くものではありません。入社後の教育による習得も大切ですが、学生時代にどれだけ社会や社会人と関わる経験をしておくかが肝となります。内定者懇親会は、社会と関わる貴重な機会であり、ビジネスマナーを意識したコミュニケーションが求められる場でもあります。内定者懇親会においてビジネスマナーやビジネススキルの重要性を伝えることで、内定者自身の学びにつなげることができると同時に、今後社会人になるにあたっての自身の課題や啓発点に気づいてもらうことができ、学ぶ意欲を高めることが可能となります。ひいては、入社前に社会人としての素地を作ることで、入社後の教育をスムーズに進められるメリットもあるでしょう。

 

内定者懇親会を開催する際の注意点

実際に内定者懇親会を開催するにあたっては、どのようなポイントに留意をする必要があるでしょうか。昨今ではオンラインでの内定者懇親会の実施も増えてきています。ここでは、5つのポイントに沿って注意点を解説します。

①内定辞退につながる可能性も考慮する
内定者懇親会は内定辞退を防止する機会として有効ですが、翻って内定辞退につながる可能性もあるということも意識しておかなくてはなりません。すなわち、内定者や先輩社員との交流を通じて、「自分はこの会社の雰囲気と合わないのでは…」「自分だけ浮いているのでは…」と感じてしまうケースが少なからずあるということです。
こうした事態を防ぐために、選考中の人物像を参照しながら、なるべくタイプの似ている内定者(先輩社員含む)同士や、共通点をもつ内定者(先輩社員含む)同士を、同じグループにするなどの配慮を行うことをおすすめします。さらに、アイスブレイクで自己紹介ワークを取り入れたり、共通点探しゲームなどを実施したりすることで、互いの心理的安全性を高めることができ、コミュニケーションの壁を取り除く効果も期待できます。

≪内定者同士のアイスブレイクや相互理解につながる内定者懇親会用ゲーム≫

 

②現場社員の日程調整や、協力者への周知を過不足なく行う
内定者懇親会においては、現場社員の協力が欠かせません。現場との調整や、仮に想定社員が出席できなくなった場合の代理役の検討など、前もってしっかりと計画を立て、準備を進めるようにしましょう。また現場社員に協力を仰ぐ際には、「どのような目的で」「何を」「どのように」行ってほしいのかなど、5W3Hに基づいて明確に依頼をしておく必要があります。特に、内定者にとって、内定者懇親会で接する現場社員はその会社の「顔」です。悪い印象を持たれないようにするためにも、基本的なマナーや態度には注意を払ってもらうよう、事前に伝えておきましょう。必ず伝えほしい情報があれば、あらかじめ共有しておくことも不可欠です。

 

③オンラインでの開催時は、通信環境に配慮する
オンラインで内定者懇親会を開催する際は、事前に通信速度を確認する必要があります。Web会議システムの使用中に不具合が生じないようにするためには、20Mbps以上の通信速度が出ていることが望ましいとされます。ご自身の通信環境をすぐに調べられるサイトもありますので、事前にご確認いただくことをおすすめします。また、使用するPCのスペックによっても通信環境が左右されますので、本番で使用するツールであらかじめトライアルを行うようにしてください。同時に、参加する内定者側にも、事前に通信速度や通信環境を確認してもらうよう通知を行い、仮に環境が整えられない内定者がいた場合は場所を手配するなどの配慮が求められます。

 

④学校行事や試験日などの日程と重ならないようにする
内定者懇親会の実施時期を検討するにあたっては、大学の行事や試験期間、卒論日程などと重ならないように留意してください。内定者数名にヒアリングを行い、希望の実施時期を確認する方法もよいでしょう。実施時期や実施頻度に正解はありませんが、一般的に、内定者が一通り出そろったタイミング(6~7月頃)で第1回の懇親会を実施するケースが多いようです。また、内定式(10月上旬)の日に併せて懇親会を行ったり、社員が集まる機会(忘年会や新年会など)に内定者を招いたりする事例もあります。いずれも強制参加ではなく任意参加とし、内定者の意志やスケジュールを尊重すること、また参加できなかった内定者へのフォローを行うことが肝要です。

 

⑤服装はあらかじめ指定する
内定者懇親会に参加する学生から特に多く挙がる質問が、当日の服装です。こちらも正解はありませんが、学生に不安や迷いを生じさせないためにも、あらかじめ指定をしておくことが望ましいでしょう。「服装は自由です」という案内を行う企業もあるようですが、解釈の幅が広くなってしまいがちです。安心して内定者懇親会に臨んでもらうためにも、内定者に対しては「カジュアルな服装でお越しください」「私服でご参加ください」といったアナウンスを行うとよいでしょう。

 

内定者懇親会でオススメのプログラム4選

いざ内定者懇親会を開催することになった場合、多くの人事ご担当者様の頭を悩ませるのが、「どのようなプログラムを実施するか」ということではないでしょうか。ここでは、内定者同士、また先輩社員との関係性を深め、会社に対する愛着を感じてもらうために有効なプログラムを4つご紹介します。

①食事やお酒を交えながら先輩社員と話せる「食事会」
内定者懇親会のスタンダードともいえる「食事会」。飲食を伴う交流は互いの仲が深まるメリットがあるため、ぜひ実施をしたいところです。一方で、特に飲み会の機会が大幅に減っている昨今の学生にとっては、大人数の食事会に抵抗を感じたり、居心地の悪さを感じたりするケースもあるかもしれません。
共通項のある先輩社員を同じテーブルに配置したり、“お題に沿った話をする”などいくつかのテーマを設けたタイムテーブルを用意したりなど、なるべく初対面の人同士でも気軽に会話できる環境を整えておくことをおすすめします。

 

②先輩社員のリアルな話を聞ける「座談会」
インターンシップや会社説明会などの選考フェーズでも、特に学生満足度が高いのが「先輩社員との座談会」です。学生にとって、先輩社員のリアルな話は、その会社で働く自分をイメージするための貴重な情報源です。可能であれば、新入社員が配属される可能性が高い部署・職種の先輩社員複数名をアサインし、さまざまな年次、ポジション、性別の社員の話が聞ける機会を作れるよう工夫するとよいでしょう。

 

③親睦や企業理解を深められる「グループワーク」
内定者同士の関係性構築を目的とした場合、「グループワーク」はとても有効な手段です。なぜなら、共通の目標を掲げ、達成するプロセスを共有した仲間との間には、チームとしての一体感や連帯感が生まれるからです。グループワークのテーマによっては、自社の仕事内容や会社の魅力をより深く理解してもらうための時間にすることも可能です。学生にとっても、選考中のような緊張感を伴わないグループワークのため、楽しみながら参加してもらうことができるでしょう。

≪親睦や企業理解を深められる内定者懇親会用グループワーク≫

 

④コロナ禍や多忙な内定者に配慮した「オンライン懇親会」
コロナ禍以降、オンラインで内定者懇親会を行う企業も増えてきています。オンライン懇親会というと味気ない印象を受けるかもしれませんが、たとえば入社までの間に3回内定者懇親会を行う企業の場合、内定者が比較的集まりそうな時期に対面で2回、学校行事や試験などで多忙な時期にオンラインで1回など、うまく組み合わせて行うとよいでしょう。オンライン懇親会は企業側にもメリットがあり、多忙な役員や、本社以外の拠点の先輩社員に参加してもらいたいケースでも、スケジュール調整がしやすくなります。

 

内定者懇親会を成功させるためのコツ

内定者懇親会のプログラムが固まったら、実施に向けての準備を進めましょう。当日の運営を想定しながら、事前にさまざまな方面から効果的な進め方やリスクを検討しておく必要があります。特に以下の4点を押さえることで、内定者懇親会の充実度がぐんと高まります。

①現場社員を巻き込める体制を作る
繰り返しになりますが、学生にとって満足度の高いコンテンツが「先輩社員からの情報」です。できるだけさまざまな職種、ポジションの現場社員に協力してもらうための体制づくりを考えましょう。内定者にとって、リアルな話を聞ける場を作ることで、ロールモデルの創出やモチベーション向上につながる効果が期待できます。
同時に、内定者にとってのメリットだけでなく、協力してもらう現場社員に自身の仕事のやりがいや自社の魅力を語ってもらうことで、現場社員自身のモチベーション向上につなげられるという利点もあります。ひいては、後輩育成に対する興味喚起ができるかもしれません。特に内定者と年齢の近い若手社員に協力してもらうことで、双方にとって良い効果が生まれることが期待できますので、ぜひ上記の効果を現場上長にも伝えながら、多くの現場社員をアサインできるよう努めてみてください。

 

②グループ分けや座席配置に配慮する
内定者全員の性格を把握することは現実的ではありませんが、選考中の情報や適性検査の結果などから、内定者同士の相性をイメージしておくことが重要です。特に初回の内定者懇親会では、同じグループでたまたま一緒だった内定者が、その会社の内定者全体のイメージとなってしまうことにもなりかねませんので、グループメンバーの構成や座席の配置には注意を払っておいたほうがよいでしょう。
実際に、ある企業で内定辞退をした学生にその理由を確認したところ、「内定者懇親会の際、他の内定者たちと雰囲気が違うと感じた」と回答されたケースもあるようです。内定者同士に限らず、その場に参加してもらう現場社員についても同様のことがいえるでしょう。
逆に、話の合う内定者や現場社員が同じグループにいた場合、一緒に働く仲間に対する不安がいっきに解消され、入社に向けての期待感が高まることも想定されます。したがって、グループワークや食事会の座席には、ある程度企業側の“意図”を反映した形であらかじめ決めておくようにすることをおすすめします。

 

③単発の実施ではなく、継続的に開催する
内定者フォローの施策はいくつかありますが、そのなかでも特に実際にコミュニケーションを取れる機会である内定者懇親会は、内定者期間中に複数回行うことを推奨します。
プログラムについてもなるべく連動性があるもの、段階的に内定者の成長や企業理解を促すことができるような内容のものを用意しておくことで、内定者フォローの目的だけでなく、入社前教育にもつながる効果が生まれるでしょう。また、できるだけ負荷のかからない範囲で、内定者同士で取り組む事後課題を設定することも有効です。たとえば、「内定者同士の他己紹介シートを、次回懇親会時までに作成してきてください」などといったミッションを課すことで、次の懇親会まで期間があく場合にも、内定者同士の交流が図れる時間が生まれます。継続的な関係構築を意識したプログラムを設計できるとよいでしょう。
尚、参加できなかった学生に対しても、当日の資料や写真・動画などを共有したりすることで、孤立感を覚えずに済むような配慮を行ってください。

 

④気軽に参加できるような内容で開催する
そうは言っても、内定者懇親会の一番の目的は内定者同士の交流を深めることで内定辞退を防止し、入社に向けたモチベーションを高めさせることです。気軽な交流を重視しながら、働くことへのプラスのイメージを持ってもらえるよう、楽しい雰囲気づくりを心がけましょう。
ゲーム性の高いコンテンツを実施したり、チーム対抗戦で競い合ったりなど、盛り上がるしかけを取り入れることもおすすめです。ぜひ人事ご担当者の皆様が、自分自身も参加して楽しいと感じるプログラムかどうかという視点から検討をしてみてください。

 

内定者懇親会の流れ(対面実施の場合)

ここからは内定者懇親会当日の流れをご紹介します。まずは対面(オフライン)で実施する際の一般的な流れを見ていきましょう。尚、こちらの流れはあくまでも一般例となりますので、内定者懇親会の目的や自社の状況に合わせてアレンジしてください。

■スケジュール例
0.オリエンテーション(人事ご担当者様挨拶、スケジュール説明など)
1.内定者自己紹介
2.グループワーク
3.先輩社員との座談会
4.社内見学
5.質疑応答
6.(必要に応じて)食事会
7.今後のアナウンス ~解散

 

①内定者自己紹介
先輩社員が同席する場合は、先輩社員も含めてその場の全員に自己紹介をしてもらいます。初回の懇親会では、互いの人となりを知るためにも、できるだけ内定者一人ひとりに全員の前で自己紹介をしてもらうとよいでしょう。自己紹介のテーマについても、ただ学校名や氏名を述べてもらうのみではなく、趣味や特技、最近はまっている事柄やオススメの休日の過ごし方など、その人の個性が感じられるようなお題を設けることをおすすめします。

 

②グループワーク
グループワークの形式は、あるテーマに対するディスカッションやカードゲーム、ボードゲーム、体を動かすアクティビティなど多岐にわたります。目的によっても実施形式や内容は変わりますが、できるだけ内定者同士の結束感を高められるプログラムや、会社理解を深められるプログラムで実施するとよいでしょう。また、参加学生に達成感を得てもらうために、なんらかの成果物を作ってもらうようなグループワークを実施しても面白いかもしれません。

≪楽しく盛り上がる!内定者の相互理解につながる内定者懇親会用ゲーム≫

≪時期ごとに発生する入社への不安を解消し、ストーリー性のある懇親会ができるグループワーク≫

 

③先輩社員との座談会
先輩社員との座談会は、選考中には聞けなかった会社の情報を知るための貴重な機会です。できるだけ効率的に多くの先輩社員と交流が図れるよう、時間を区切って内定者をローテーションさせたり、あらかじめ内定者に質問カードを書いてもらい、(トランプのように)先輩社員にカードをひいてもらってそのテーマに関する内容を話してもらったりといった工夫を行うと効果的です。尚、先輩社員に伝えてもらいたいこと(伝えてほしくないこと)については、事前にすり合わせをしておく必要があります。同時に、自社のビジョンや制度などについて正しく伝えてもらえるよう、先輩社員にインプットをしておくことも大切です。

④社内見学
オフラインで行う内定者懇親会の最大のメリットは「会社の雰囲気を知れる」ということです。ぜひ可能な範囲で職場に入ってもらい、どのような環境で仕事をしているのか、肌で感じてもらうようにしてみてください。グループワークや座談会などに先輩社員も参加している場合は、先輩社員と一緒に社内を見学してもらってもよいでしょう。尚、社内見学を行う際は、当該の職場に事前周知し、コンプライアンス面の配慮(機密情報を置かない、内定者がいる場で顧客に関する情報を話さない等)を促すことも肝要です。

 

⑤質疑応答
コンテンツがひととおり終了したら、ぜひ質疑応答の時間を設けるようにしてください。会社説明会や面接などでも質疑応答を行っている企業が多いかと思いますが、選考中の学生は緊張感も高く、本当に聞きたいことを聞けずに終わってしまうケースがよくあります。内定者懇親会の場でざっくばらんに質問をしてもらい、内定者の不安をできる限り解消できるよう努めてください。

 

⑥(必要に応じて)食事会
ランチや飲み会など、飲食をともにすることで互いの関係性が縮まりやすくなる効果があると言われています。なるべく先輩社員にも参加してもらい、ラフな雰囲気で交流できるような場にすることを意識しましょう。ただし、言うまでもありませんが、お酒が得意でない、飲みたくない内定者に無理やり飲ませるなどのハラスメントにつながる行為は厳禁です。参加する社員も、羽目を外したり度を越えた言動を行ったりすることがないよう、人事担当者が率先して注意を向けてください。

 

⑦ 今後のアナウンス ~解散
次回の内定者懇親会の日程や今後のスケジュール、提出物や課題などがある場合はここで周知を行います。食事会を行わない場合は、質疑応答が終了した時点で今後のアナウンスを行ってください。時間に余裕がある場合は、何名かの内定者に本日の感想を述べてもらってもよいでしょう。

 

内定者懇親会の流れ(オンライン実施の場合)

次に、オンラインで内定者懇親会を実施する際の一般的な流れをご紹介します。基本的な流れは対面実施の場合と同様ですが、オンライン実施ならではの注意点もあります。たとえば、リアクションを大きめに行う、Web会議システムのチャットやリアクション機能を活用してもらうなど、オンラインの特性を活かしながら進めていくことがポイントです。

■スケジュール例
0.オリエンテーション(人事ご担当者様挨拶、スケジュール説明など)
1.内定者自己紹介
2.グループワーク
3.先輩社員との座談会
4.質疑応答
5.今後のアナウンス ~解散

 

①内定者自己紹介
対面実施に比べ、場が温まるまでに時間がかかるオンライン内定者懇親会では、なるべく盛り上がるための要素を盛り込むことが大切です。自己紹介にゲーム性を持たせることでアイスブレイクの要素を兼ねるなど、対面での実施時よりも長めに自己紹介の時間を取り、参加者の緊張感を取り除けるような配慮をするとよいでしょう。画面共有機能を利用し、自己紹介シートや“自分がよく伝わる写真”などを共有しながら自己紹介を行ってもらうことも有効です。

 

②グループワーク
グループワークのテーマは対面時と同様ですが、どのようなワークを行う場合でも、なるべく盛り上がるしかけを作れるように心がけてください。たとえば単なるディスカッションで終始するのではなく、チーム対抗の要素を取り入れたり、各チームでアウトプットを作成してもらったりするコンテンツが効果的です。参加者全員が前向きかつ意欲的に取り組めるよう、適宜人事担当者や先輩社員が介入しながら進められるとよいでしょう。

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(オンライン対応)≫

 

③先輩社員との座談会
対面時と比較すると、その場に参加しづらい内定者が出てきてしまう可能性を視野に入れることが大切です。参加者の数にもよりますが、進行役が指名をする、1人につき1個ずつ順番に質問をしてもらうなど、なるべく全員が参加できるような工夫を取り入れてみてください。対面時と同様、参加する先輩社員には、あらかじめ伝えるべき情報を共有しておく必要があります。

 

④質疑応答
オンラインの場合、質問がない内定者の参加意識が薄れる可能性を考慮し、質疑応答の時間は短めでも構いません。また聞きたいことがあるにもかかわらず、質問するタイミングを逸してしまうケースもありますので、質問をチャットで受け付け、順に回答するなどのオペレーションも有効です。

 

⑤今後のアナウンス ~解散
次回の内定者懇親会の日程や今後のスケジュール、提出物や課題などの周知を行います。質疑応答で確認しきれなかった質問がある内定者には、閉会後も残ってもらうなどの対応も可能です。また欠席の内定者がいた場合、後日懇親会の様子を編集した動画を共有するなどの配慮ができるとなおよいでしょう。

 

内定者懇親会の成功事例

実際に行った内定者懇親会の事例をご紹介しますので、内定者懇親会を企画する際に参考にしてください。

 

【対面】メーカーA社:内定者数16名
・目的:内定者のチームビルディング、自己理解・他者理解
・内容:3回シリーズの内定者懇親会を実施。
第1回で体感型のチームビルディングワークを実施し、内定者同士の一体感を醸成。
第2回、第3回では「既存社員に向けた内定者の紹介資料作成」をミッションとして、自分たちでコンテンツを考えながらアウトプットを作成。制作過程では、既存社員に「自分たちのどのような情報を知りたいか」をヒアリングしたり、先輩社員にレビューを依頼したりすることで、PDCAを回しながらミッションを遂行。ただ自己理解や他者理解を深めるだけでなく、相手のニーズを踏まえたうえで、成果を出すことの重要性を理解してもらった。

 

【オンライン】大手生保系システムC社:内定者数50名
・目的:内定者の辞退防止、チームビルディング
・内容:3回シリーズの内定者懇親会(WEB)を実施。
第1回では「同期推理ゲーム」を実施し、同期間の人間関係を構築。
第2回では「同期新聞制作ワーク」を通して、会社の魅力を再度インプット。
第3回では「キャリアデザイン」をテーマに、社会人としてのマインドを醸成。
計3回の協働プログラムを通じて、同期間の人間関係構築の促進にとどまらず、それぞれのタイミングにおける内定者の関係性や心情に合わせた観点(自身の価値観、内定先企業に感じた魅力、自身のキャリア)で自分を振り返ったり、他者の意見を受け入れたりする機会につながった。対面と比較すると意思疎通が図りづらいオンラインであっても、プログラムの実施順序や懇親会全体のストーリーを工夫することで、内定者にプレッシャーを感じさせることなく、スムーズにイベントを開催することができた。

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≪同期推理ゲーム、同期新聞制作ワーク、キャリアデザインワークが含まれる、ストーリー性のある内定者フォローができる「内定者イベントシリーズ」≫

 

内定者懇親会のイベント企画は「Groupwork.com」を活用しよう

内定者懇親会のプログラムに悩んでいる人事ご担当者の皆様は、ぜひ当社のグループワークレンタルサイト「Groupwork.com(グループワークドットコム)」をご活用ください。Groupwork.comは、社員採用や教育で活用できる高品質なグループワークを、必要な期間だけ、リーズナブルにレンタルできるサービスです。
なかでも『内定者イベントシリーズ』では、内定出しから入社まで、継続的なフォローイベント(懇親会)ができるグループワークパッケージをご提供しています。内定者期間中の辞退を防ぎ、結束力を強化するストーリー性のある楽しい内定者イベント(懇親会)を簡単に実施できることが特徴です。目的に応じて選べる2つのシリーズ(「同期・自社・自分への理解を深めるシリーズ」「同期の結束力を強化するシリーズ」)をご用意しておりますので、貴社の内定者フォローにお役立てください。

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≪継続的なフォローイベント(懇親会)ができる「内定者イベントシリーズ」(オンライン対応)≫

 

内定者懇親会に関するよくある質問

最後に、内定者懇親会に関して、人事ご担当者の皆様から多くいただくご質問を紹介します。

Q.内定者懇親会で効果的なグループワークの内容は?
A.内定者懇親会ではできるだけ参加型で、内定者同士の親睦が深まりやすいグループワークを実施されることをおすすめします。ゲーム性の高いもの、ロールプレイングなどを取れ入れたものが、内定者の印象にも残りやすく効果が高いといえます。オンライン開催の場合は、リモート環境下で謎解きを行うコンテンツや、当社で提供しております「同期推理ゲーム」などが人気のプログラムです。

Q. 内定者懇親会を行う時期はいつがベスト?
A. 先述の「不安」が訪れやすい時期に合わせて行うと効果的でしょう。また単発の開催ではなく、複数回にわたって段階的に実施することで、内定者のつなぎ止めを図れるだけでなく、入社前教育としての役割を果たすこともできます。学校行事や試験日程などに配慮しつつ、内定者の希望も確認しながら設定することが望ましいです。

Q. 内定者懇親会をオンラインで実施する際の注意点は?
A. 通信環境への配慮と、オンラインならではのコミュニケーションに留意する必要があります。前者については、企業側・内定者側ともに、実施前に通信環境に問題がないかを必ず確認するようにしてください。また実施中は、Web会議システムの各機能も活用しながら、内定者が緊張感なく入り込めるような工夫を行うことが大切です。

Q. 当日の服装は指定すべき?
A. 学生に不安や迷いを感じさせないためにも、あらかじめ服装は指定しておいたほうがよいでしょう。その際、「服装自由」とするのではなく、「カジュアルな服装でご参加ください」など、具体的なアナウンスを行うことをおすすめします。

 

内定者懇親会を通じて会社理解を深めてもらおう!


本記事では、内定者懇親会のメリットや進め方についてご紹介しました。内定者懇親会は、内定辞退を防止する目的にとどまらず、内定者の不安を解消し、自社への理解を深めてもらう重要な機会です。ぜひ貴社の魅力が伝わるプログラムを検討してみてください。

 
(※)株式会社ディスコ 『調査データで⾒る「内定者フォロー」-2022年卒調査-』より

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